「何かスカッとする映画はないか?」
すずの介護がたいへんになってから、祖父の映画選びに付き合うことをやめていたのに、何を思ったか「久しぶりに映画みる?」と声をかけてしまった自分に後悔した。
言ってしまったものは取り消せない。
ふと出てしまった「やっといた方がいいかもしれない、親孝行熱」に負けちゃったんだ、でも、きっと徳は積めてるはず。
さぁ、なにを選ぶ?
曖昧なリクエスト
祖父は機械を操作することができないので、全ての管理はわたしがしている。そして、映画を選ぶのも下手なので、映画館で見ていたときからわたしが助言していた。
映画館のときは、まだ楽だった。
テレビで予告を見て自分で「これがいいかも」と言ってくれるので曖昧なリクエストはないし、新作映画の数は多くない。
「スカッとする映画」
Amazonプライムビデオから探すの大変だよ。
まず、祖父の「スカッとする映画の定義」がわからない。
聞いても検索に役立つほどのキーワードが出てこない。
迷走の20分
価値観なんてひとそれぞれ違うじゃない。
私がスカッとする映画なら「ハーレイ・クイーン」のシリーズだけど、祖父は絶対に見ない。
今度は「面白いやつはないか?」と言い出した。
また曖昧かつ定義ゼロ。
映画選びも20分になるとこっちの苛立ちが増幅されて、さらにすずのギャン泣きが合わさって、頭痛もヒートアップ。
結局、適当に最近追加されたものにした。
あぁ、この20分なんだったの。
おすすめ≠正解じゃなくていい
ストレスMAXで無駄な20分を振り返ってみた。
何がそんなにストレスなのか。
⚫︎犬のごはんを作る時間が押してしまった。
⚫︎祖父のリクエスト映画がわからなかったこと。
ここからどんどん掘り下げていくと
・自分の予定が狂ってしまったこと
・失敗してはならないと呪縛
に行き着いた。
おすすめは100%で当てなければならないというプレッシャーから、無意識に不機嫌になってた。
自分の面白かったものを純粋に「見て!」と紹介するテンションとは全く違うんだ。
個人の好みにぴったり当てる、曖昧なリクエストで無数の映画から。
私は映画評論家でも何でもない。
実際、祖父がハズレ映画をみて不機嫌になって当たられたこともない。「イマイチやったー」と言われる程度。
それで私にどんなダメージがある?
側からみたら全くないので、「そっか、残念やったね」で済むんだけど、私はそこから失敗に凹み、失敗のダメージから逃げるために愚痴りだす。
結果、機嫌悪くなるのは私だけ。
私はこんなにも「失敗」を恐れているのか。
おすすめした映画が
「正解」じゃないくても良い。
「失敗」しても大丈夫。
繰り返すストレスの根っこは、意外なところにあったりする。時間のストレスも突き詰めたら、失敗や出来なかったというところに繋がるのかもしれない。
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